福島県の自然豊かな古殿町の味噌屋です。

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味噌の地域性タイトル

日本にはさまざまな調味料が存在しますが、地域ごとに強い個性を持つのは味噌ではないでしょうか。

南北に長いその地形や気候の違いによりさまざまな種類の味噌が存在し、各メーカーが独自の味と香りを生み出して伝統を守っています。

今回は、全国各地の味噌の特徴や地域の味噌を使った料理をご紹介します。

 

地域の味噌の分類

 

全国各地の味噌マップ

 

全国各地の味噌は、以下のように分類されます。

 

味噌の地域性、日本地図

 

みその種類 みその材料 作られる地域
米味噌 大豆 + 米麹 + 塩 全国的に広く生産
豆味噌 豆麹 主に中部地方で生産
麦味噌 大豆 + 麦麹 + 塩 九州や四国の一部地域などで生産

 

味噌の分類について、詳しくはこちらのブログ記事をご覧ください。

 

地域の味噌の特徴と郷土料理

 

北海道地方

 

北海道みそ【地域:北海道】

くせのない味わいで万人受けする辛口の米みそ

味噌の地域性、北海道の郷土料理

ちゃんちゃん焼き

 

北海道の味噌作りは、明治時代の開拓時代に本格化しました。

気候条件が本州と異なるため、従来の作り方では良質な味噌が作れず、大変な苦労が伴ったと言われています。

しかし、冷涼な気候により長期の熟成や切り返しが必要となった結果、すっきりとして芳香があり、クセがなく多くの人に好まれる味わいの味噌が生み出されました。

北海道の郷土料理や味噌料理

ちゃんちゃん焼き、石狩鍋、なんこ鍋、てっぽう鍋(汁)


東北地方

 

津軽みそ【地域:青森】

独特のうまみがある赤色辛口の米みそ

味噌の地域性、青森県の郷土料理

せんべい汁

 

津軽みそが造られる津軽地方は、積雪量が多い地域として知られています。

寒冷な気候により熟成に長い期間を要するため、「津軽三年味噌」とも呼ばれています。

塩分濃度は13%前後と少々高めですが、長期熟成のため塩角が取れ、辛口ではあるものの口当たりはまろやかで独特のうま味があります。

青森県の郷土料理や味噌料理

せんべい汁、じゃっぱ汁、イモのおづけばっと、ホタテ貝焼き味噌

 

秋田みそ【地域:秋田】

米どころならではの甘い香りのする粒みそ

味噌の地域性、秋田県の郷土料理

石焼桶鍋

秋田は米どころとして知られており、麹の原料である米や大豆が豊富に収穫されていました。

そのため、江戸時代には農家だけでなく武家や町家でもみそが作られていました。

秋田の味噌は米麹の割合が高く、甘く華やかな香りが感じられる辛口の粒みそです。

近年は、減塩の流れに伴い食塩の割合が減り甘口へと変わってきています。

秋田県の郷土料理や味噌料理

石焼桶鍋、いかのもんぺ焼き、マタギ鍋、いものこ汁

 

仙台みそ【地域:宮城】

伊達政宗以来の伝統を受け継ぐ、別名「なめみそ」

味噌の地域性、宮城県の郷土料理

ドンコ汁

仙台みそは、米味噌で長期熟成タイプの赤味噌で、味は辛口に分類されています。

伊達政宗が城中の糧とするためみそ醸造施設「御塩噌蔵」を建設し、味噌の製造を命じたのが始まりです。

仙台味噌は別名「なめみそ」とも呼ばれ、そのまま舐めても塩辛さより旨味を感じると評判です。

宮城県の郷土料理や味噌料理

ドンコ汁、牡蠣汁、おろし汁、松葉汁、にしんのみそ漬け

 

会津みそ【地域:福島】

自然環境が厳しい会津盆地の赤色辛口・米麹味噌

味噌の地域性、福島県の郷土料理

いもかんぷら

会津みそは、福島県会津地方で作られる伝統的な味噌で300年以上の歴史があります。

厳しい気象条件の盆地で生まれた赤色辛口の米麹味噌が代表的ですが、最近ではまろやかな中辛口なども増えています。

会津料理には欠かすことができない食材のひとつとして、地元で愛されています。

福島県の郷土料理や味噌料理

いもかんぷら、しんごろう、どぶ汁

 

マルマン醸造の「ふるどの天然醸造みそ」

マルマン醸造は福島県にありますが、会津地方とは異なり太平洋側に位置し、豊かな自然に囲まれています。

「ふるどの天然醸造みそ」は、阿武隈山系の湧き水と国産原料を熟練の技術で仕込み、麹菌の力と自然の温度で長期熟成しています。

塩角の取れた味わい深い辛口米味噌です。

>> 味噌の商品一覧

 


関東地方

 

江戸甘みそ【地域:東京】

徳川幕府の時代に発展した、濃厚な甘みの米みそ

味噌の地域性、東京都の郷土料理

味噌田楽

江戸甘みそは江戸時代初代将軍 徳川家康の指示のもとでつくられた、出身地である三河「八丁みそ」の旨みと、京都「白みそ」の甘さを兼ね備えたみそです。

白みそが大豆を蒸さずに煮るのとは異なり、蒸した大豆を用いるので、色は光沢のある赤褐色です。

また、塩分濃度が低いことからしっとりとした舌ざわりがあります。

東京都の郷土料理や味噌料理

味噌田楽、柳川鍋

 


中部地方

 

越後みそ【地域:新潟】

米麹の粒がふわっと浮かぶ辛口赤色系の米みそ

味噌の地域性、新潟県の郷土料理

のっぺい汁

越後みそは、上杉謙信が関東地方に出兵した兵らにみそづくりの技術を習得させ、越後国に広まったと言われています。

米麹に精白した丸米を使用し、みその中に浮いているように見える米粒が特徴で「浮麹みそ(うきこうじみそ)」とも呼ばれています。

塩味の中にも麹の甘みがあり、すっきりとした味わいの辛口・赤色系の米みそです。

新潟県の郷土料理や味噌料理

のっぺい汁、わっぱ煮、しょっから煮、けんさん焼き、あんこう汁、いもみそ

 

佐渡みそ【地域:新潟】

合わせ味噌としても使いやすい、コクのある辛口味噌

佐渡味噌は出雲の神様が伝えたとの伝承があり、江戸時代の金山開発により商業的に発展したと言われています。

麹の割合が多く、大豆も米粒もすりつぶして作るのが特徴です。

長期間熟成させるため、塩なれしたコクのある味わいの赤色辛口味噌で、合わせ味噌としても使いやすいと言われています。

新潟県・佐渡島の郷土料理や味噌料理

スケトの沖汁、すり身(とび魚)汁

 

越中みそ【地域:富山】

魚介の味を引き立てる、辛口の米味噌

味噌の地域性、富山県の郷土料理

ホタルイカの酢味噌和え

昔ながらの越中味噌は米麹の割合が高く、水分量や塩分濃度が高く、じっくりと長期熟成させた辛口味噌です。

魚介が豊富に獲れる富山県では、汁ものの魚の身が崩れないよう水分が多く柔らかい味噌になったと言われています。

近年は健康重視の流れに伴い、塩分や水分の割合が減ってきています。

富山県の郷土料理や味噌料理

たけのこの味噌煮、ホタルイカの酢味噌和え、たら汁、いとこ煮、げんげの味噌汁

 

加賀みそ【地域:石川】

前田利家により発展した、濃厚でコクのある米味噌

加賀みそは、金沢を中心に石川県の加賀地方で製造している味噌で、前田利家が軍用の貯蔵食品として作らせたことから始まりました。

米麹と水分の割合が多く、長期間熟成させた濃厚な味とコクが特徴の赤系米みそです。

近年は、減塩ブームにより塩分低めの淡い色(山吹色)も生産されています。

石川県の郷土料理や味噌料理

めった汁、いとこ汁、メギスのだんご汁

 

信州みそ【地域:長野】

武田信玄ありき、生産量日本一の辛口米みそ

味噌の地域性、長野県の郷土料理

五平餅

信州みその普及は、武田信玄が兵糧として「川中島溜(かわなかじまたまり)」を作ったことがきっかけとされています。

その後、1923年の関東大震災の救援物資として送られたことから首都圏で市場を拡大させ、現在、生産量は全体の約50%を占めています。

(令和2年 総務省統計局「経済センサス」より)

信州みそは酸味のある芳香があり、すっきりとした旨味が感じられる山吹色の辛口米みそです。

長野県の郷土料理や味噌料理

五平餅、鯉こく、信州雑煮、ぶっこみ

 

東海豆みそ【地域:愛知・三重・岐阜】

濃厚な旨味と渋み、わずかな苦みのある辛口豆みそ

味噌の地域性、愛知県の郷土料理

みそ煮込みうどん(愛知)

東海豆みそは、愛知・岐阜・三重で作られており、八丁みそをはじめ、三河みそ、赤みそなどさまざまな名前で呼ばれています。

東海地方の気候から、高温多湿に強く長期保存できるみそにするため、伝統的な味噌玉製麹という技法が用いられています。

濃厚な旨味と渋み、わずかな苦みがある辛口の豆味噌です。

東海三県の郷土料理や味噌料理

愛知:みそ煮込みうどん、どて煮、五平餅、味噌カツ

岐阜県:朴葉みそ、五平餅、鮒のみそ煮

三重県:豆腐でんがく

 


近畿地方

 

関西白みそ【関西地方】

塩分控えめでこっくり甘口の上品な米みそ

味噌の地域性、京都府の郷土料理

西京漬け(京都)

関西白みそは関西地区でつくられている白みその総称で、京都を中心に王朝時代から発展してきました。

京都の「西京みそ」は、米麹の割合が高くこっくりとした甘口で低塩です。

皮を取り除いて煮た大豆と精米度の高い米を使用し、空気との接触を断って熟成発酵することにより、色は白や上品な黄金色となります。

熟成期間が短いのが特徴で、長期保存には向きません。

関西地区の郷土料理や味噌料理

滋賀県:近江牛のみそ漬け
大阪:どて焼き、白みそ雑煮
京都:西京漬け、かみなり汁
兵庫:ぼたん鍋
奈良:大和の雑煮

 


中国地方

 

府中みそ【広島】

関西白みそ、讃岐みそと並ぶ白色甘みその代表格

味噌の地域性、広島県の郷土料理

カキの土手鍋

広島県府中地域でつくられる「府中味噌」は、土産物として人気を博したこと、さらに藩主が参勤交代道中の諸藩大名に贈呈したことから有名になりました。

白色の甘みそで、良質の米と脱皮した大豆を原料としているのが特徴的です。米麹の割合は高く塩分は少なめで、豊かな風味とコクで好まれています。

広島県の郷土料理や味噌料理

カキの土手鍋、白みそ仕立てのだんご汁

 

瀬戸内麦みそ【愛媛・山口・広島】

麦麹が多く、芳ばしい香りが楽しめる甘口麦みそ

味噌の地域性、愛媛県の郷土料理

さつま

瀬戸内麦みそがつくられる愛媛、山口、広島周辺の地域は「米みそ圏」と「麦みそ圏」が交差し、塩に恵まれた地域です。

地域により差はありますが、麦麹の歩合が高く、麦独特の香ばしい香りと軽やかな甘味が特徴的です。

醸造期間が1~3ヶ月と短いため、淡い色をしている甘口淡色みそです。

瀬戸内地方三県の郷土料理や味噌料理

愛媛:さつま
山口:ちしゃなます、筍の味噌煮
広島:牡蠣土手鍋

 


四国地方

 

讃岐みそ【香川】

濃厚な甘みとふっくらした味わいの白色甘みそ

味噌の地域性、香川県の郷土料理

あんもち雑煮

香川県は甘口白みその需要が高い関西と近いことから、戦後、讃岐米と大豆と水、そしておいしい塩を生かした白みその生産が進みました。

讃岐みそは、1週間~2週間で熟成させる短期熟成型で発酵はさせません。

塩分濃度は5%程度と低く、濃厚な甘みとふっくらした味わいがあり、透き通るようなクリーム色をしています。

香川県の郷土料理や味噌料理

あんもち雑煮、わけぎあえ

 

御膳みそ【徳島】

辛口味噌と甘口味噌の特徴を併せ持つ、珍しい味噌

味噌の地域性、徳島県の郷土料理

でこまわし

御膳みそは、阿波国領主・蜂須賀家政の御膳に供されたことが名前の由来とされています。

甘口味噌に分類されますが、辛口味噌と甘口味噌の両方の特徴を併せ持つ、全国的にも珍しい味わいの味噌です。

米糀の量は甘口みそのように多く、塩分量は辛口みそのように多く、熟成を行うことでより赤くなり旨みの強い味噌です。

徳島県の郷土料理や味噌料理

阿波の味噌焼き、青唐辛子味噌、おみいさん、でこまわし

 


九州地方

 

九州麦みそ【九州地方】

二毛作から生まれた、種類豊富な麦みそ

味噌の地域性、熊本県の郷土料理

辛子レンコン

九州麦みそは、九州地方で作られる麦味噌の総称です。九州地方では二毛作で麦がつくられたことから、麦みそが一般的になったと言われています。

地域ごとに熟成期間が異なり色の違いや風味に差はあるものの、総じて塩分はやや低めで甘口が多く、麦独特の芳香があるのが特徴です。

近年、北部では辛口もあり、麦麹に米麹を混ぜた「合わせみそ」の生産も増えています。

九州地方の郷土料理や味噌料理

熊本:辛子レンコン、豆腐の味噌漬け、ぶたあえ
宮崎:冷や汁
鹿児島:さつま汁

 

※上記以外にも郷土味噌や味噌を用いた郷土料理はございます。
また、同じ郷土みそでもたくさんの製造元・蔵元があり、色・粒・すりなど特徴は多岐に渡るため、紹介文の限りではありません。ご了承ください。

 

まとめ

 

味噌のように、地域によって材料や色、味が異なる調味料は珍しいかもしれません。

以前は、各地域で作られた味噌が親しまれていましたが、現代ではインターネットの普及により、さまざまな地域の味噌を入手できるようになりました。

料理や具材により味噌を使い分け、日本の豊かな食文化を楽しむのもいいですね。

 

福島県の自然豊かな田舎に位置する「マルマン醸造」の味噌は、天然醸造・国産原料使用の米みそです。

記事中で紹介した福島県の郷土料理「いもかんぷら」はもちろんのこと、鍋料理や炒め物までさまざまな料理に合います。

ぜひ一度お試しください。

マルマン醸造 常盤 慎太郎

マルマン醸造の「ふるどの天然醸造みそ」

じっくり時間をかけて自然の温度と麹の力だけで熟成された、深みがあり塩角が取れまろやかな味わいが特長です。

味噌造り名人のおばあちゃん達からのアドバイスを取り入れた味わいにより、どこか懐かしい、幸福感にあふれたお味噌をぜひご賞味下さい。

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