【味噌の保存方法】美味しさ長持ちの秘訣と注意点
味噌は使い切るまでに時間がかかるため、正しい保存方法を知ることが重要です。
使っている間や買い置きした味噌の保存は、どのようにしたら良いのかご存じですか?
そのまま室温で保存している方、ぜひこのブログを最後までお読みください!
味噌は適切な環境で保存することで風味や品質を保ち、長期間美味しく楽しむことができますよ。
味噌にまつわる疑問やお悩みもいっしょに解決していきたいと思います。
味と色の変化の過程と理由
どうして茶色くなるのか?
味噌は発酵が進むとガスが発生するだけでなく、時間の経過と温度の影響により色が濃くなり風味が変わることもあります。
この現象は「着色」または「褐変(かっぺん)」と言い、メイラード反応によって引き起こされます。
メイラード反応は、原料であるお米が分解された「糖」と、大豆が分解されてできる「タンパク質・アミノ酸」が反応して褐色に変化する現象で、気温が高いほど早く進みます。
食べても大丈夫?
メイラード反応は味噌由来の成分同士が反応して起きるもののため、未開封の状態で保管されている味噌でも起こります。
色が濃くなっても健康を害することはありませんが、反応が進むと風味に影響を及ぼします。
特に、長期熟成型以外の味噌は、メイラード反応が香りの成分に影響を与えるため、風味が失われることもありますのでご注意ください。
味噌の賞味期限はどれくらい?
賞味期限は「美味しく食べられる期間」を示しており、味噌の種類によって異なります。
一般的には、麹の使用量が多く塩分量が少ないものや、熟成期間が長く麹の使用量が低く、やや塩分含有量が多いものなどは賞味期限が長い傾向があります。
味噌の種類による一般的な賞味期限(常温流通)
全国味噌工業協同組合連合会「賞味期限表示に関するガイドライン」より
味噌の賞味期限を過ぎてしまったら?
味噌は賞味期限が切れてもすぐに傷むわけではありませんが、褐変(色が濃く変化)が進んでいる場合は風味に変化が現れることがあります。
できるだけ賞味期限内の味噌を使用してください。
保存のポイント
開封前の味噌の保存方法
常温で保存はできる?
開封前の味噌は常温で保存することができますが、以下の3つの条件を満たす保存場所を選ぶようにしましょう。
- 陽が当たらないこと
- 湿気が少ないこと
- 温度が低く一定であること
床下収納は風通しが悪く湿気がこもりやすいため、味噌の保存には適していません。
また、梅雨明けから気温が高くなる夏の時期は、未開封でも風味に影響を与えやすいので注意が必要です。
冷蔵庫・チルド室での保存方法がおすすめ
味噌は、開封前・開封後ともに、常温保存よりも冷蔵庫での保存をおすすめします。
冷蔵庫で保管すると色の変化が起こりにくくなります。
また、温度変化が少ないチルド室も味噌の保管場所に適していますよ。
長期保存なら冷凍庫へ
また、長期保存する場合は冷凍庫に入れて保存する方法もよいでしょう。
一般的な家庭用の冷凍庫では、味噌がわずかに硬くなる程度で凍らないため、取り出してすぐに使用することができます。
使い勝手も良いので試してみてください。
開封後の味噌の保存方法
常温で保存しても大丈夫?
開封後の味噌は常温で保存すると色や風味が変化してカビが生えやすくなります。
開封前と同様に冷蔵庫などの冷暗所での保存方法をお勧めします。
長期保存できない味噌も
現代では、減塩味噌やだし調味料など、調合された味噌が販売されています。
また、液体味噌などの便利な調味料もありますが、開封後は長期保存に向いていないという点に気を付けましょう。
脱臭剤は取りだしてOK
開封前の容器内の隙間に配されている脱酸素剤(エージレス)は、酸素を吸い取って味噌の表面の酸化を防止します。
しかし、開封後は効果がなくなるため、処分してください。
味噌の上にある白い紙は処分する
白い紙は脱酸素剤が味噌の中に埋もれてしまわないようにするためのものですので、開封後はシートを処分してください。
袋入り味噌の保存方法
袋入りの製品をそのまま使う場合は、味噌をすくい出したあと、味噌の内部にある隙間や味噌と袋の口の間の空気を抜き、輪ゴムやクリップなどで結んでください。
味噌を使うときは乾いた道具で
味噌を取り出す際には、清潔な乾いたヘラやスプーンなどを使用し、表面に水分を付けないようにします。
水分が付着したまま保存すると、味噌の品質が劣化する可能性があります。
味噌用の保存容器はどう選ぶ?
容器を移し替えて保存する場合は、「素材が適しているか」を基準に容器を選びましょう。
保存容器の素材は、「陶器」、「琺瑯(ホーロー)」や「ガラス」などがおすすめです。
色や匂いが移りにくく、衛生的で長期保存にも向いています。
「金属製」は避けた方が無難です。味噌には塩分が含まれるので、金属製の容器を使用すると錆びる可能性があります。
容器を新たにご用意されない場合、当社がおすすめするのは、カップ味噌の容器に袋入り味噌を詰め替える方法です。
カップと袋の味噌サイズが同じものを選ぶと、ぴったり味噌が入るのでおすすめです。
開封後の味噌についての疑問解消!
味噌の上に溜まった茶色い水は「たまり」
味噌から分離する茶色い水は「たまり」と呼ばれますが、品質上の問題はありません。
この「たまり」は発酵・熟成の過程で生じ、水分だけでなく、塩分、糖分、アミノ酸から成る液体であり、多くのうまみ成分を含んでいます。
「たまり」にカビが発生していなければ、そのまま味噌と混ぜて使用してください。混ぜることで酵母菌が増殖し、風味が一層豊かになる効果があります。
白いカビのようなものは無害
一般的に市販されている味噌の場合、表面にできる白いカビのようなものはほとんどが「産膜酵母」と呼ばれる酵母菌の一種です。
このカビは口に入れても無害ですが、風味を損なう可能性がありますので、発生した場合はカビの部分を取り除いて使用してください。
白い結晶は味噌の成分の一つ
味噌の表面や内部に白い結晶が形成されることがありますが、これはたんぱく質が分解されて生成される「チロシン」と呼ばれるアミノ酸が結晶化したものです。
じっくりと長期熟成した味噌によく見られます。チロシンは味噌の成分のひとつで無害ですので、そのままお使いください。
カビが生えたら取り除いて
味噌の表面に乾燥し変色した部分やカビの発生部分があれば取り除き、変質していない部分を使用してください。
ただし、味噌を料理に使った場合は塩分濃度や水分量が変化するため、傷みやすくなるので気を付けましょう。
褐変した古い味噌の活用レシピ
古くなった味噌でも、青や黒のカビや異臭などの異変がない場合は、味噌漬けやみそ炒めなどに使えば、比較的風味の変化を気にせず食べることができます。
不安なら少し風味を確認してから調理に使うといいですよ。
味噌漬け
味噌漬けは味噌に直接食材を漬け込む調理法で、味がぎゅっと凝縮されます。
野菜や肉・魚などを味噌漬けにして、美味しくいただきましょう。
野菜の味噌漬け
おすすめの野菜:きゅうり、大根、ニンジン、ナス、カブ、大根、セロリ、生姜など
作り方
- 野菜は水分が多いため、野菜を水洗いして塩で揉んでおくか、陰干しして水分を抜いておくと味が馴染みやすくなります。
- 野菜の表面に付いた水分をキッチンペーパーなどで取る
- ジッパー付きの袋などに野菜と味噌を入れ、冷蔵庫に入れて一晩~2日待ちます。これだけで味噌漬けの完成です。
肉や魚の味噌漬け
作り方
- 魚や肉は軽く塩を振って水洗いし、水分をふき取ります。
- ジッパー付きの袋にみそにみりん、日本酒、生姜などを加えてみそ床を作ります。
- 魚や肉を1の味噌床に入れ、4〜5日置けばみそ漬けの完成です。
まとめ
味噌は長期保存に適した調味料ですが、おいしく食べ切るためにもご自宅の味噌の保管方法や期限を改めて確認してみてください。
その美味しさと栄養価を最大限に楽しむことがフードロス削減にもつながると思います。
マルマン醸造の味噌は、天然醸造・国産原料使用・職人たちのまごころを込めた米みそです。
賞味期限は8ヶ月ですので、ぜひ無駄なく最後まで美味しく召し上がっていただけたらと思います。
マルマン醸造 常盤 慎太郎
厳選された国産大豆・国産生米麹、瀬戸内海の海水塩・阿武隈山系から湧き上がる湧き水を使用した、天然醸造みそ。
じっくり時間をかけて自然の温度と麹の力だけで熟成された、深みがあり塩角が取れまろやかな味わいが特長です。
お客様から「この味噌を食べると他の味噌は食べられない」という嬉しいお声もいただいております。ぜひご賞味下さい。