【味噌の面白い雑学】漢字の成り立ち、慣用句やことわざ
日本の食卓に欠かせない発酵食品である「味噌(みそ)」。
とても身近な調味料ですが、実は、味噌の「噌」 という漢字は、日本ではみそのための文字で「味噌」以外にほとんど使われていません。
みその歴史をひも解くと、みそは日本人が作った調味料であり、「味噌」という漢字とともに古来から私たち日本人になじみ深いものなのです。
さらに、みそにまつわることわざや慣用句もたくさんあります。
今回は、「味噌」の漢字の成り立ちや歴史、さらにことわざについて、楽しく学んでみましょう。
「味噌」の漢字の成り立ち
みその「味」の成り立ち |
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また、一説では「未」を「美」の意とし、口によいあじわいとすることもあります。
味噌は舌で感じる豊かな風味が特徴です。味のバリエーションも多く、甘い味噌や辛い味噌、さまざまな味わいが楽しめますね。
みその「噌」の成り立ち |
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「噌」の部首は「口」です。中国で成立した「噌」という漢字の意味は、「口」が「かさなる」ことから、「かまびす・しい」(意味:やかましい)を意味します。
日本では、「噌」は味噌のみに使われますが、味噌は蒸した大豆に麹を重ねて(曾)、発酵させることから、この「噌」の字を当てたのかもしれませんね。
「味噌」の漢字が表すこと
つまり、「味噌」という漢字は、大豆や麹を重ねて発酵し、いろんな成分や味が一つになり、複雑な風味で味わい深い調味料だということを表しているのではないでしょうか。
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味噌の起源
ところで、味噌は、いったいいつ頃、どのようにして生まれたのでしょうか?
味噌の起源ははっきりと解明されていませんが、一説によると、古代中国の「醤(しょう/ひしお)※」という食品が日本に伝わり、味噌へと発展したと言われています。
※ 「醤」:鳥や獣・魚の肉をたたいて潰し、雑穀・麹・塩で漬け込んだ発酵食品。
日本で初めて「醤(しょう/ひしお)」という文字が確認されたのは「大宝律令」(701年)という文献です。
そこには中国には存在しない「未醤(みしょう)」という言葉が記されています。
「未醤(みしょう)」は、飛鳥時代に中国からの遣唐使により伝えられた「醤」を日本人が独自の製法によって加工した新しい調味料であり、味噌の前身ではないかと考えられています。
中国とは全く異なる純日本化された芳しさと旨味の強い調味料を更に改良し昇華させたのが、現在の日本の味噌、醤油である
「未醤(みしょう)」という音が時代とともに変化を遂げ、「みしょう」→「みしょ」→「みそ」になったとも言われています。
関 |
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漢字の成り立ち 豆知識
「麹」と「糀」の漢字の成り立ち
「味噌」といえば、「麹/糀(こうじ)」です。こうじを示す漢字は、「麹」と「糀」の2種類があります。
麹(こうじ) |
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糀(こうじ) |
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関 |
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「酉(ゆう)」の漢字の成り立ち
発酵に関連した漢字には、「酉(ゆう)」という漢字が多く用いられています。
酉(ゆう) |
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これらすべての食品の発酵に、酒が直接関係したわけではありません。
古代の人々が酒を造るための「酒麹(さけこうじ)」を麹の代表としていたことから、発酵に関わる漢字に「酉」の字が使われるようになったと言われています。
味噌にまつわる文学
味噌は、日本の食文化に欠かせない身近な存在です。
それだけに、さまざまなことわざや小説などに「味噌」が数多く登場し、日常生活にも溶け込んでいます。
そんな味噌にまつわることわざや慣用句をご紹介します。
味噌にまつわる「慣用句・ことわざ」
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自分で自分を褒めること。自慢。 日本ではみそは自家製が多く、自分がつくった味噌を自慢し合ったことからできた言葉です。 |
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失敗する。また、失敗して面目を失う、という意味。 |
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「そこが肝(きも)」などと同様に、自慢できる点や、工夫を凝らした点をみそでたとえている。 |
人にまつわる「慣用句・ことわざ」
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味噌をこした時の残りかすが転じて、子供の遊びなどで一人前に扱ってもらえない小さい子どもなど。 子供が遊ぶときに、ルールの適用除外にする小さな子のことを関東では「おみそ」と呼び、関西では「ごまめ」と呼ぶことが多いようです。 ※地域により異なります。みなさんの地域はいかがでしょうか? |
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子どもに多い、欠けて黒や茶色っぽくなった歯。 |
味噌が健康にいいことを表した「慣用句・ことわざ」
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味噌を食べていれば健康で医者にかかるようなことはないので、医者は儲からず商売あがったりだ、という意味。 |
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経験豊かな医者は腕がよく、味噌は熟成されて味もまろやかにおいしくなる、という意味。 |
味噌が登場する文学・歌など
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雨にも負けず 風にも負けず …一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ… 粗食で健康的な食生活ですね。『雨ニモマケズ』を学校で暗唱した方も多いのではないでしょうか? |
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かあさんが 夜なべをして 手袋編んでくれた …かあさんの あかぎれ痛い 生みそをすりこむ… みそは古くは火傷などの治療に使われていたことをイメージし、歌われています。 |
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ケチを描く落語の代表作で、蔵の味噌が登場する落語です。 |
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奉公人を抱えるような家では、味噌は自家製でした。仕込み用の大豆が登場する落語です。 |
おわりに
味噌の漢字の成り立ちやことわざ等について、楽しく学んでいただけましたか?
味噌という身近な食品にも、実は深い歴史や文化が詰まっていることがわかりましたね。
漢字の成り立ちにはその時代背景が反映され、ことわざには日本人の知恵や教訓が込められています。
これから味噌を使うたびに、その背後にある物語を思い浮かべながら、より深い味わいを楽しんでみてください。
それでは、また別の味噌の世界でお会いしましょう!
マルマン醸造 常盤 慎太郎