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【味噌の主原料を大解剖】大豆と米と塩と水、麹が作る深い味わい

味噌は日本の食文化の象徴的な存在ですが、その美味しさの秘密は、主原料にあります。

大豆、米、塩、水、そして麹(こうじ)、これらすべてが絶妙に組み合わさって、豊かな風味が生み出されます

みそは原料がシンプルだからこそ、それぞれが良い素材である必要があります。

では、良い素材とは、いったいどんなものでしょう?

今回は、そんな味噌の主原料たちの個性と役割、そして素材に込められた生産者の思いを掘り下げていきます。

 味噌に込められた自然の恵みを一緒に見つけていきましょう!

 

味噌の種類を知る:主原料別、味噌のつくり方

はじめに、簡単に味噌の主原料とつくり方について見ていきましょう。

みそは麹と大豆、塩を混ぜ、発酵・熟成させてつくります。

 

みそ=(大豆+麹+塩+水)×熟成

 

スーパーに売られているお味噌のほとんどが米味噌ですが、一般的に、米みそはお米に麹(こうじ)菌を繁殖させて、大豆と食塩を用いて味噌を作ります。

麦みそも同じく、大豆と食塩を配合して、麦を原料とする麦麹を用いて味噌を作ります。

また、豆みそは原料が大豆を麹にしたものと塩だけで、米や麦を使わない味噌です。

 

5つの原料が織りなす、米味噌の魅力

では、みなさんお馴染みの「米みそ」の主原料について大解剖していきましょう!

米みそは、大豆の豊かな味わい、米の甘み、塩の旨み、水の清らかさ、そして麹(こうじ)の魔法が合わさって完成します。

 

主原料1 「大豆」の力:味噌の旨味を支える主役

「良い大豆」はどう選ぶ?

味噌の主原料である大豆。実はこの大豆こそが、味噌の美味しさを左右する重要な役割を果たしています。

「大豆が違えば味噌が違う」と言っても過言ではないほど、味噌の風味や栄養価に大きく影響を与えます。

大豆

みそを美味しくするのは「大粒の黄大豆」

ひとくちに「大豆」といっても、大豆の種類は何百種類もあります。

味噌造りに使われる大豆は「黄大豆」が中心。

豆の皮の表面にツヤが出ていて、粒がそろっているものが良質な黄大豆と言われています。

一般的に、味噌には大粒種が使われます。

大粒の大豆は、発酵中に適切な水分を吸収しやすく、均一に発酵することができます。

「国産」大豆が安全・安心

日本の土で育った大豆は、その品質の高さと安全性が認められ、消費者にも信頼されています

それは、厳しい管理のもとで作られているからです。

また、品質(外観)のブレが少ないため、大粒で形が揃っており高品質な大豆が多く、味わいも格別

豊かな風味と濃厚な旨味が味噌の美味しさを引き立てます。

日本の伝統的な食文化を支える味噌だからこそ、国産大豆を使うことで、その味と安心感が一層引き立つとも言えますね。

関連記事: >【国産大豆と海外産大豆の違い】品質や安全性、栄養価を徹底解説

 

大豆のできかた

大豆についてたくさん学びましたが、そもそも大豆はどうやって栽培されているのか、いつごろ収穫されるのか、みなさんご存知でしょうか?

大豆は、春ごろに種をまくと、夏にはおつまみでおなじみの「枝豆」として楽しめます。

秋になり、茶色くなった葉が落ちて、さやからカラカラと乾いた音がしたら、大豆の収穫時期です。

昨今は、天候などの条件がよくない年も増えてきました。

そんな中でも、よいものを作ろうと、農家さんが手間ひまをかけて大事に作られた大豆。

感謝して、大切にいただきたいですね。

 

マルマン醸造の「大豆」へのこだわり

味噌を作る工程、大豆を煮る

マルマン醸造では、厳選した国産大豆(おもに地元・福島県産の大豆)を使用しています。

大豆の違いは味噌の出来上がりに大きく影響するので、大豆の大きさや形、色などを厳しくチェックし、質の良いものを厳選します。

収穫された大豆が私たちの蔵に届くと、私たちは大豆一粒一粒に感謝しながら、最高の味噌を仕込んでいます。

>> マルマン醸造の「ふるどの天然醸造みそ」へ

 

原料2 「米麹」の甘み:米+麹菌が引き出す深い味わい

米味噌づくりの工程は、米麹をつくることから始まります。

みその製造において、一番重要な工程だとも言えます。

原料に使う「米」は発酵の主役!

米麹は、蒸した米にコウジカビ(麹菌)を繁殖させてつくります

原料である米は、米麹(こめこうじ)にしたときにとけが良く、米の芯が残らないこと、麹を糖化(甘酒)させたとき甘みが強く上品なものがよいとされています。

「麹」は生きている!発酵を支える魔法使い

そして、米麹作りに欠かせないのが「麹(こうじ)菌」。

麹菌はまるで小さな魔法使いのように米のデンプンを分解し、甘みを引き出すことで、味噌に深みのある風味を与えてくれます。

つまり、一般的に、塩が少なく大豆に対する麹の割合、麹歩合が高くなるほど甘めのみそに仕上がります。

お米の自然な甘さが溶け込み、角の取れた塩味と酸味が特徴の米味噌。

発酵の力で米麹がこんなにもおいしい味噌を生み出しているとは、麹菌はやはり魔法使いのようですね。

関連記事: >麹とは?糀との違い・種類・作り方・レシピ・効果を深掘り!

 

世界に誇る日本独自の麹菌のルーツ

このように、味噌づくりで重要な役割を果たす麹菌ですが、どこで作られているかご存知でしょうか?

麹菌(種麹)は、麹菌の胞子を生育し商品化したもので、種麹屋(もやし屋)で作られています。

麹菌(通称:もやし)のルーツは、中国大陸伝来説など諸説ありました。

しかし、多くのカビのゲノム解析結果などから、有力だとされているのが日本独自の麹菌誕生説です。

元来、麹菌は自然界には存在しません。

イネやトウモロコシに付着するアスペルギルスフラバスから、種麹屋が発酵食品に適した菌株を秘伝の技術で育て、受け継ぎ、全国の醸造元に届けてくれています

上質な麹菌がないと、日本の発酵食品はつくることができません。

種麹屋は、いわば発酵の魔法使いを育てる秘密の工房とも言えます。

 

マルマン醸造の「米麹」へのこだわり

生麹の製造過程

マルマン醸造の米麹は、安心・安全の100%国産白米と「強力山吹菌」でつくっています。

蒸したお米に「麹菌」をつけるタイミングや、まんべんなく付ける技術が重要なので、職人一人ひとりが手作業で丹念に行います。

また、雑菌の侵入を防ぐため、細心の注意をはらいます。

マルマン醸造の「ふるどの天然醸造みそ」は、大豆・米麹・塩を混ぜてから、自然の気温で10ヶ月から1年、糀の力のみで長期常温熟成させた手前味噌です。

米麹がたっぷり入っているため、米味噌なのに甘く、しっかりとした旨みもあります。

>> マルマン醸造の「ふるどの天然醸造みそ」へ

 

原料3 「塩」のバランス:発酵を整え、味を引き締める

「塩」は、ただの塩じゃない!発酵の名指揮者

多くの人は、塩は味をつけるためだけのものと思いがちです。

しかし、実は、発酵のバランスを保つために重要な役割を果たしています。

適切な量の塩は、腐敗をとめ、微生物たちの暴走を防ぎながら発酵のリズムを整えてくれます。

前述の通り、一般的に、塩が少なめで麹が多いと甘口、逆に塩が多めで麹が少ないと辛口味噌になります。

しかし、塩が少なすぎると微生物が活発になりすぎ、味噌が腐敗する危険性が。一方で、塩が多すぎると微生物の活力が抑えられるため、旨味が十分に引き出されません。

絶妙な塩加減が、発酵の進行をコントロールし、美味しい味噌を作り上げるための秘訣なのです。

まさに、塩は発酵の名指揮者と言える存在ですね。

日本の塩の種類と製法

塩は原料によって分類した場合は、次の6種類に分けることができます。

<海水塩、岩塩、湖塩、地下塩水塩、調味塩、再製加工塩>

世界の塩生産量の割合をみると、岩塩などを原料とした塩が2/3、海水を原料とした塩が1/3です。

一方、日本は岩塩などの塩資源に恵まれていないので、日本の塩は、そのほとんどが海水を原料としています。

海水塩は、ナトリウム以外にも、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどたくさんのミネラルを豊富に含んでいます

また、塩を製法(結晶工程)によって分類すると次の2種類に分けることができます。

<釜炊き(煎ごう)塩、天日塩>

日本の塩は、さまざまな原料や製法などを組み合わせて作られているんですね。

 

マルマン醸造の「塩」へのこだわり

味噌作りは、自然の力を借りる仕事。塩はその自然の一部で、私たちは日々対話しながら使っています。

マルマン醸造の味噌づくりに使う塩は、瀬戸内の海水塩です。

瀬戸内海の海水100%を原料とした、ミネラル分の多い塩を使い、長期常温熟成することで、深みがあり塩角が取れたまろやかな味に仕上がります。

仕込みの時期には、「今年の塩の状態はどうかな?」と対話しながら微調整。

そんな自然とのやりとりが、美味しい味噌作りの醍醐味なんです。

>> マルマン醸造の「ふるどの天然醸造みそ」へ

 

原料4 「水」の恵み:発酵を進める命の源

味噌作りのカギを握る意外な立役者

味噌は大豆、米麹、塩、仕込みの水で作られていますが、味噌のおよそ45%は水でできています!

米や大豆を洗うのも漬けるのも、水。蒸し上げるためのボイラーも、水。麹の発熱を冷やすのも、水。

あらゆるところに「水」を使います。

つまり、みその味や色、香りを決める上で水が大きな影響を与えていると言えます。

「たかが水でしょ?」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、「人間の身体のおよそ60%は水でできている」と言われるように、水は私たち人間に欠かせないものです。水の力を侮ることなかれ、ですね。

水の量、原料のバランスが肝

前述の通り、味噌のおよそ45%は水でできていますが、水は多すぎても少なすぎても美味しいみそができません

水が多すぎた場合、食塩水の濃度が低下し、発酵が不安定になったりみその香味が劣化したり、溜り(たまり)が分離することがあります。

また、反対に水が不足した場合は発酵や熟成が遅れ、ザラついたり光沢を失ったりすることがあります。

およそ半分という水分量は、みそのしゃもじ離れや袋離れのよさ、みそ汁にした場合に簡単に溶かすことができる、などの観点からも丁度いいと言われています。

つまり、味噌をつくるうえで水の品質はもちろんのこと、水分バランスもとても大切なのです。

水が作る「ふるさとの味」

日本各地に「ふるさとの味噌」がある理由の一つに、実はその土地の水があります。

日本は、関東地方や九州地方の一部、沖縄などを除き、軟水の多い国です。

軟水、硬水それぞれに良さがありますが、一般的に、軟水は味噌の原料となる米がおいしく、大豆がやわらかく蒸しあがり、繊細でまろやかな味わいに仕上がります

一方、硬水はミネラルたっぷりで独特の深い味わいを引き出すと言われています。

味噌づくりには湧き水が使われることも多いため、地域の水が作り出す「ふるさとの味噌」を食べれば、あなたの中にその土地の風景が浮かび上がるかもしれません。

次に旅をする際には、ぜひその土地の水で作られた味噌を味わってみてください!

 

マルマン醸造の「水」へのこだわり

マルマン醸造のある福島県の古殿(ふるどの)は、阿武隈山系に位置する美しい山々に囲まれた、自然豊かな町です。

水源がとても豊かで、悠久の時の流れでつくられた自然の恵みである湧き水は、味噌や酒造りに限らず、山里の暮らしを潤してくれています。

マルマン醸造の味噌づくりに使う湧き水は、非常に清涼な軟水です。

こだわりの原料の味わいを引き出し、風味豊かな味噌が仕上がるのは、悠久の時をかけ育まれた、古殿の名水があるからこそ。

マルマン醸造のみそづくりになくてはならない原料の一つです。

>> マルマン醸造の「ふるどの天然醸造みそ」へ

 

みそメーカーの裏話

味噌の原料には大豆や米が使われますが、実は、普段なら使わないような「訳あり」の材料を活用しているメーカーもあります。

  • 古米:一年以上前の風味が落ちた古い米
  • 規格外の米:粒が小さく、家畜の飼料用になるクズ米
  • 外国産の小粒大豆:国内みそ原料によく使われる
  • 国内産の小粒クズ大豆:小粒大豆ほど味噌になったときの大豆皮の割合が増える(カスが多く食感が悪い)

単純に、「訳あり原料」=「質が悪い」というわけではありません。

このような古米やクズ大豆を使うことは、環境に優しい取り組みだという側面もあるでしょう。

大切なのは、それらの訳あり原料が、みそメーカー自身の目指すみそづくりに適したものなのかどうか、というそれぞれのメーカーの判断基準です。

 

味噌は自然の素材を使ってできています。

技術はもちろん大切ですが、やはり「原料に勝る技術なし」という言葉があります。

どんな技術や手法でも原料選びをおろそかにすればすべてが台無しになってしまうのです。

材料の厳選に始まり、そして仕込から製造管理まで徹底的なこだわりを持ってみそづくりを行う。

マルマン醸造では、創業以来、原料に自信を持って伝統的な天然醸造みそをご提供し続けています。

 

 

おわりに

味噌の原料には、大豆、米、塩、そして麹など、実にシンプルなものが使われていますが、それぞれが深いストーリーを持っていることがわかりましたね。

どの原料もただの食材ではなく、発酵という魔法の力で素材本来のおいしさが何倍にも引き出されます。

次回、味噌を使うときには、そんな原料たちの物語を思い出してみてください。

きっといつもの料理が、もっと豊かでおいしいものに感じられるはずです!

マルマン醸造 常盤 慎太郎

マルマン醸造の「ふるどの天然醸造みそ」

マルマン醸造の「ふるどの天然醸造みそ」は、国産大豆・国産米・国産塩

そのまま食べても美味しく召し上がれる、安心・安全の100%国産のお味噌です。

味噌の原料は製造途中で捨てるところがないため、原料の味がそのまま影響します。

良い原料で製造した味噌はやっぱり美味しいのです!

農家さんが心をこめて作った大豆やお米、種麹屋さんの麹菌、さらに自然の恵みである水。

マルマン醸造は、それぞれの努力の結晶と豊かな自然に感謝し、その恵みを最大限に引き出したお味噌をこれからも作り続けていきます。ぜひご賞味下さい。

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